現場監督のストレス過剰は危険? 業務効率化で“早く帰れる”仕組みづくりを

 現場監督は、工程管理・安全管理・事務作業など業務範囲が広いうえに、それぞれの業務量も多く、ストレスを抱えやすい仕事といわれています。

 業務過多によるストレスはメンタルヘルス不調を招き、不安全行動やヒューマンエラーを誘発する場合もあります。労災事故や離職のリスクも高めるため、現場監督の働き方を改善することは急務といえるでしょう。


 本記事では、現場監督が抱えるストレスの原因と、業務負担を低減するための解決策を紹介します。

目次

1.現場監督が抱えるストレス……。その原因とは?

 1.1.長時間労働

 1.2.休日出勤

 1.3.人間関係

2.現場監督のストレスを低減する3つの解決策

 2.1.長時間労働の是正に向けた取組み

  2.1.1.工程管理や受注管理ができるクラウド型ツール

  2.1.2.テレビ電話やチャット上で情報共有ができるITツール

  2.1.3.工事写真整理サービス

 2.2.休日不足解消の取組み

  2.2.1.適正な工期の設定

  2.2.2.技能や能力にふさわしい待遇の見直し

 2.3.円滑なコミュニケーションを図る取組み

  2.3.1.報・連・相のルールと仕組みの整備、周知

  2.3.2.“相互尊重”のコミュニケーションを意識

  2.3.3.建災防方式健康KY、無記名ストレスチェックの実施

3.まとめ



現場監督が抱えるストレス……。その原因とは?

 現場監督は日々どのようなストレスを抱えているのでしょうか。ストレスが多い仕事といわれる原因には、以下の3つが挙げられます。


長時間労働

 人手不足の影響もあり、建設業界では長時間労働が常態化しています。国土交通省が2018年とりま3月に取りまとめた資料によると、建設業の年間総実労働時間は全産業平均と比較して300時間以上多い状況でした。

 長時間労働が起こる原因は、多岐にわたる業務とそれぞれの業務量の多さにあります。現場監督は、関係各社とのやり取りや工期調整、作業員・職人のスケジュール管理、安全管理などさまざまな業務を担当します。現場作業終了後は工事写真の確認・整理を行い、次の作業を始めるまでに施工ミスや写真の撮影漏れがないかチェック。終業後は、現場が動いている日中にできない業務もこなしているというケースもあるでしょう。


 また、建設業は元請けから下請けに仕事が流れる重層下請構造です。そのため、下位下請けは短納期を迫られることもあります。さらに、屋外での作業は天候の影響を受け、現場が止まることも少なくありません。これらの建設業界特有の事情も長時間労働を招く一因となっています。


出典:国土交通省「建設業働き方改革加速化プログラム別紙


休日出勤

 建設業界では休日不足も深刻です。建設工事全体の約65%は、4週4日以下で就業しており、週休2日を実現している事業所の割合は全体の5.7%。土木工事については、約58%が4週4日以下で就業しており、週休2日を実現している事業所の割合は5.6%という現状です。他産業で一般的となっている“週休2日”が確保されていないことが伺えます。


 現場監督は工程通りに工事を進めて工期に間に合わせるという責任を抱えています。工事の進捗状況に応じて作業員の確保状況の確認や、スケジュール調整などが必要になるため、土日や祝日関係なく働かざるを得ないケースもあるでしょう。


 発注者からの短納期要請や、天候悪化による工事遅延といった予期せぬトラブルが原因となり、休日出勤を行うケースもあります。


出典:国土交通省「建設業における働き方改革


人間関係

 現場監督は、元請けや下請け会社などの関係各社をはじめ、作業員や取引先といったさまざまな人と関わるため、人間関係に悩みを抱えることがあります。

 現場監督は、利益を得るための予算管理も重要な業務です。コストを抑えて高品質な施工を実現するため、年齢や立場の異なる人と交渉を行うこともあります。なかには、利益を追求するというプレッシャーから、相手に無理な要求をして信頼関係を損ねてしまうこともあるでしょう。


 また、相手とのコミュニケーションがうまく取れず、不必要な誤解やトラブルに発展するケースも考えられます。これらが原因となり、精神的な負担につながるリスクも考えられます。


 人間関係を良好に保つことは円滑に業務を進めるための重要な要素。対人関係のストレスは離職を招く可能性もあります。


現場監督のストレスを低減する3つの解決策

業務の幅が広く、責任感やプレッシャーを背負いやすい現場監督はさまざまなストレスを抱えがちです。過度なストレスはメンタルヘルス不調を招き、労災事故やヒューマンエラーを誘発しかねません。

現場監督のストレスを低減するためには、労働環境を改善して、ストレスの原因を取り除く必要があります。ここでは、ストレスを低減する3つの解決策を紹介します。


長時間労働の是正に向けた取組み

 長時間労働によるストレスを低減するためには、業務効率化や生産性向上に向けた取組みが不可欠です。


 「報告書や図面といった書類のやり取りに労力をかけている」「情報共有や連絡等に移動が必要」という場合は、ITシステムやAI、ICTなどのツールや外部サービスの導入を視野に入れましょう。

  • 工程管理や受注管理ができるクラウド型ツール

  • テレビ電話やチャット上で情報共有ができるITツール

  • 工事写真整理サービス


工程管理や受注管理ができるクラウド型ツール

 工程管理や受注管理などに必要なデータをクラウド上で一元管理することで、社内、関係者との情報共有がスムーズになります。紙でのやり取りが不要になるため、入力・確認作業の効率化も可能です。工事帳票などの整理作業・処理も迅速化できるため、業務にかかる労力を削減します。


テレビ電話やチャット上で情報共有ができるITツール

 現場や関係者とスムーズに情報共有できるテレビ電話やチャットツールを導入すれば、遠隔地からリアルタイムな情報共有が可能になります。グループトークが可能なチャットツールを選択すれば、連絡事項の一斉送信ができるため伝達漏れの防止に役立ちます。


工事写真整理サービス

 数千枚以上になる工事写真の整理は、外部サービスに委託することでコア業務にかける時間・労力を確保できます。現役の土木建設会社が運営する写真整理サービス『カエレル』は、出来形規格値の入力や不足写真のチェックも対応。現場経験が豊富なスタッフが在籍しているため安心して任せられます。


休日不足解消の取組み

 休日不足を解消するためには、人手不足対策が必要です。しっかりと休日を確保できる環境を整えることで、入職者の増加や離職防止が期待できます。

 「短納期の要請に応じるため休日出勤している」「そもそも人材が不足している」という場合は、以下の取組みを検討しましょう。

  • 適正な工期の設定

  • 技能や能力にふさわしい待遇の見直し


適正な工期の設定

 下位下請けに対する無理な納期の要請は業界特有の問題です。これは、個々の企業だけでは実現が困難なため、政府もガイドラインを策定し適正な工期設定を推進しています。事前に関係者を含めた協議を行い、双方が納得できる点を探しましょう。


技能や能力にふさわしい待遇の見直し

 人手不足によって休日出勤が発生している場合は、人手不足解消のための施策が必要です。そのためには、技能や能力にふさわしい待遇の見直しや、能力評価制度などが必要といえます。「この業界で働きたい」と思えるような労働環境を整備することで、人手不足の解消や人材確保の促進を図りましょう。


円滑なコミュニケーションを図る取組み

 現場監督がスムーズに仕事を進めるには、作業員や職人と円滑にコミュニケーションを取り、よりよい人間関係を築くことが重要です。

 「人間関係が悪くてコミュニケーションが困難」「業務のモチベーションが低下してしまう」などの場合は、以下の取組みを検討しましょう。

  • 報・連・相のルールと仕組みの整備、周知

  • “相互尊重”のコミュニケーションを意識

  • 建災防方式健康KY、無記名ストレスチェックの実施


報・連・相のルールと仕組みの整備、周知

 社会で多くの人と協働するためには“報・連・相”が必要不可欠です。報告・連絡・相談のルールを明確にして、社内や作業員と共有しましょう。こまめに情報共有を行うことで、施工ミスを防ぐほか、円滑な工事にもつながります。


“相互尊重”のコミュニケーションを意識

 “相互尊重”とは、お互いの価値を尊重して大切に扱うという意味です。年齢や技術の違いで対応を変えるのではなく、すべての関係者に思いやりを持って接するよう意識しましょう。相互尊重のコミュニケーションは、社内の連携をスムーズにするだけでなく、モチベーション向上や業務効率化などの効果も期待できます。


建災防方式健康KY、無記名ストレスチェックの実施

 現在どの程度のストレスを感じているかを定期的にチェックすることで、メンタルヘルスの不調を早期発見できます。メンタルヘルス対策は、モチベーションの低下を防ぐだけでなく、心身の不調による不安全行動やヒューマンエラーを防止します。


まとめ

 現場監督の業務は多岐にわたり、業務量も膨大です。そのため、ストレスが多い仕事といわれています。現場監督のストレスは長時間労働・休日出勤・人間関係が主な原因。過度なストレスはメンタルヘルス不調を招き、不安全行動やヒューマンエラーを誘発。労災事故や離職のリスクを高めます。


 現場監督のストレスを低減するためには、労働環境を改善して、ストレスの原因を取り除きましょう。

 長時間労働などの体力面のストレスには、ITやAI技術を活用したツールの導入や外部サービスの導入も効果的です。業務効率化を図ることでストレス低減に効果が期待できます。

 また、休日不足解消には、工期の適正化や人手不足解消の施策が必要です。受発注者が協議を行って双方が納得できる点を探しましょう。そして、能力に応じた待遇や評価制度を取り入れることで、入職者の増加や離職防止に役立ちます。


 加えて、人間関係を良好に保つ施策も必要です。円滑なコミュニケーションを図るためのルールや仕組みを整備し、定期的なストレスチェックを実施しましょう。


 現場監督は工事において欠かすことができない大切な存在です。長時間労働や休日不足、人間関係の悪化にお悩みなら、今回ご紹介した解決策を参考にしてみてください。優秀な人材の流出を防ぐためにも、業務効率化で「早く帰れる」仕組みづくりを検討し、働きやすい労働環境を整備しましょう。

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