建設業の“無人化施工”は人手不足問題の切り札になる? 導入効果や課題点について

  将来的な労働人口の減少が危ぶまれるなか、すべての産業で生産性向上に向けた取り組みが実施されています。なかでも“業務の自動化・無人化”は、業務効率化や、少ない人数でも円滑に業務を遂行できることから多くの注目を集めています。  こと建設業においても、現場の生産性向上を目的として“無人化施工”の活用が期待されています。  無人で建設作業ができるシステムは、労働力不足問題の解決だけでなく、現場の安全面を守るうえでも重要な技術です。  本記事では、建設業における無人化施工について、活用例や課題点とともに解説します。

目次

1.無人化施工とは?

2.無人化施工技術の活用例

2.1.資材・機器などの搬送作業の自動化

2.2.AIによる工程・品質管理

2.3.遠隔操作による災害現場の現地調査

3.無人化施工の導入には課題も

4.まとめ



無人化施工とは?

 無人化施工とは、AI・GPS・各種センサーなどの最新テクノロジーを用いたシステムやロボットを使用して、遠隔操作あるいは自動で、施工・調査・資材の運搬等を行う技術を指します。  建設業は「肉体労働がきつい」「危険作業・事故が多い」というネガティブなイメージも強く、そうした背景もあってか人材の確保が課題になっています。少子高齢化による担い手不足が進んでおり、若年労働者の離職率も高くなっています。  また、状況によっては土砂崩れや地すべりなどをともなう悪環境での作業を求められる場合もあり、有人での作業が危険性をはらむケースも少なくありません。  無人化施工は、人手不足、危険をともなう作業への安全確保・負担軽減に対応するためにも必要性が高いといえます。  負担の大きい作業は、遠隔操作システムやロボットを取り入れて無人化することで、現場の作業人数の削減、肉体・精神的な負担軽減が期待できるでしょう。

無人化施工技術の活用例


 現場作業員の負担軽減につながる無人化施工。実際には、以下のようなシーンで活用されています。ここでは、無人化施工技術の具体的な活用例を紹介します。



資材・機器などの搬送作業の自動化

 工事現場では、作業場所まで資材・機器を搬送する作業が発生します。重量が大きい資機材を持ち運ぶには、複数の作業員が必要になるほか、足腰の体力的な負担も増えます。  搬送作業を自動化することで、搬送にかかわるリソースの削減や作業員の負担軽減が可能です。搬送業務の省力化は作業員を有効活用できるだけでなく、業務効率化や生産性向上にもつながります。


AIによる工程・品質管理

 大規模な工事では、管理者が複数の作業場所を巡回して目視確認や進捗管理を行うのは困難です。品質管理に必要な工事写真の撮影も、工事の規模が大きくなるほど整理・管理も煩雑になります。  AI技術を用いた認識システムを活用すれば、工事写真から作業工程を認識し、各作業場所の進捗状況を把握できるようになります。  管理者が巡回する負担を軽減し、コア業務である品質管理にかける時間を確保できます。人手不足による管理者への業務のしわ寄せや、管理の煩雑化による作業ミスなどを防ぐ効果も期待できるでしょう。


遠隔操作による災害現場の現地調査

無人化施工は現場作業を省力化できるほか、悪環境での作業時の安全性を確保できます。 ただし、無人化施工を導入するには、いくつかの課題があります。調査には、作業員への二次災害がおよぶ危険性があります。  遠隔操作できる無人調査機器やロボットを活用すれば、安全を確保しながら速やかな調査を可能にし、災害時の早期復旧において役立ちます。  

無人化施工の導入には課題も

 無人化施工は現場作業を省力化できるほか、悪環境での作業時の安全性を確保できます。  ただし、無人化施工を導入するには、いくつかの課題があります。

  • 無人化施工システムを扱うためのスキルや経験が必要になる

  • 現状の建設機械への取り付けや改造ができないケースもある

  • 高額な導入コストがかかる

  • 有人施工に比べて作業効率が落ちる場合もある

 無人化施工は、建設業界の人手不足問題を解決するための切り札となり得る技術ですが、活用にはスキル・経験が必要なほか、操作に慣れるまで作業効率が落ちる、導入コストが高いといった課題もあります。

 そのため、導入前に「何をするのか」「何が必要なのか」「何が効果的か」を事前に検討することが必要です。  無人化施工による効率化が困難な場合は、まず小さな業務から自動化を目指し、段階を踏みながら全体の効率化を図るという進め方も有効だと考えられます。

まとめ

 無人化施工は、建設業の人手不足解消の切り札として注目されています。  AIやGPS、各種センサーなどの技術が備わった重機やシステムを活用すれば、遠隔操作で現場作業のサポートが可能です。現場の省人化による生産性向上をはじめ、災害時の復旧作業などへの活用が期待されています。  しかし、無人化施工の導入には専用の重機やシステムを使いこなすスキルや経験が求められるほか、多額のコストが必要となります。  まだその段階ではないという場合は、まず日々の業務体制を見直し、生産性向上を図ってみてはいかがでしょうか。  小田島組では、現場写真整理代行サービス『カエレル』をご提供しています。  現場の経験豊富なスタッフが工事写真の整理・管理を担当し、黒板内容のテキスト化から出来形規格値・実測値データ整理など、きめ細かなサポートを行います。  写真整理業務に費やしていたリソースを削減でき、業務効率化につながります。不足写真のチェックも対応しているため、工事の手戻りを防いで現場がスムーズに稼働。生産性向上も期待できます。  建設業の人手不足や業務効率化にお悩みの方は、ぜひご相談ください。