「工事が遅れてしまう…!」そのようなときの対応・対策方法を徹底考察

 工事では、工期を考慮してスケジューリングしていても、予期せぬ遅延が発生してしまうことがあります。工事が遅れてしまうと発注者の信用を失うほか、のちの工程に影響を及ぼす可能性があります。  今回は、工事が遅れてしまう具体的な要因と遅れた際の対応、遅れさせないための対策について解説します。

目次

1.工事の遅れになりうる要因

 1.1.天候や事故、自然災害

 1.2.資材不足

 1.3.ヒューマンエラー

 1.4.人員不足

 1.5.施工詳細が決定していない

2.進捗が思わしくない場合の対応

 2.1.社内・発注者・工事関係者への連絡

 2.2.工程表の組み直し

 2.3.工事請負契約書の確認

3.遅れの防止対策

 3.1.遅延の可能性を考慮して工期を設定する

 3.2.工事の進捗状況に問題がないか作業工程を可視化する

 3.3.外注先や発注者と進捗状況を共有する

 3.4.日頃の業務を効率化することも重要

4.まとめ



工事の遅れになりうる要因

 あらかじめ工事に必要な工期を割り出していても、予定どおり進まないこともあります。 工事の遅れる要因は、天候や自然災害からヒューマンエラーまでさまざまです。工期遅れを防ぐためにも、あらためて遅れにつながる要因を整理してみましょう。


天候や事故、自然災害

 工事は天候の影響を受けやすく、計画どおりに工事を進められないことが多いです。大雨や強風時には屋外の作業はできません。工事の開始時期によっては、天候の影響を強く受けることもあります。とくに長雨・突風が多い4月、梅雨時期の6~7月、台風が発生しやすい8~9月は注意が必要です。  また、現場で起こる事故も工期遅れの大きな要因です。万が一現場で事故が起きてしまった場合、事故の原因追及や被害状況の確認が必要なため、すぐに工事を始められません。  地震や水害といった自然災害が発生した際も同様です。現場対応に必要な資材・人材の確保や確認が必要となるほか、工事をやり直すほどの被害を受けることも。大幅な遅れにつながる可能性があります。


資材不足

 資材が不足する要因の一つに自然災害の影響もあります。現場地域で被害がなくても被災地で資材が製造されていて影響を受けることもあります。資材を発注していても調達ルートが通行止めになっていれば当然調達日数もかかるでしょう。資材がなければ工事を進めることができず、工事が大幅に遅れます。


ヒューマンエラー

 現場への伝達漏れや指示間違い、図面の見間違いといったミスで工期が遅れることがあります。とくに現場監督が不在にしている間は、不明な点をすみやかに確認できないためミスが起きやすくなります。また、現場経験の浅い新人作業員が作業する場合にも施工ミスが多発しやすいです。工事の手戻りを防止するためにも、確認を怠らないよう注意しましょう。


人員不足

 若者離れや離職率上昇によって建設業界は慢性的な人員不足を抱えています。人員を確保できないなか無理な工期を設定すると、長時間労働や事故、施工ミスの可能性も高まります。事故が発生すれば、さらに工期が遅れてしまうことにつながります。


施工詳細が決定していない

 施工詳細が決まっていても、前工程が完了し、次の施工のための資材と現場作業員の手配ができていなければ次の工程に進むことはできません。そのため、施工詳細は余裕をもって決めておくこと、工事前にできるだけ発注者と企業で意見を一つにまとめておくことが大切です。しっかりと詳細を詰めておくことで、問題点やリスクを発見しやすく、のちの作業をスムーズに進められます。


進捗が思わしくない場合の対応

 工期の遅れを最小限にするため、遅れそうな段階で早急な連絡やスケジュールの変更といった対応が必要です。以下では、具体的な対応方法を紹介します。


社内・発注者・工事関係者への連絡

 まずは関係者に遅れについて正直に連絡しましょう。現場の状況やどの程度の遅れがあるのか、今後の工程について詳細に伝える必要があります。


工程表の組み直し

 遅れが出そうな場合は実現可能な範囲で工程表を組み直すことも大切。工程表を再作成するときは、関係者全員で協議することが望ましいです。修正した工程表は発注者へすみやかに提出し承認を得ましょう。現場作業員へ周知も徹底しましょう。


工事請負契約書の確認

 工事請負契約では、定めた期限内に工事が終了しない場合の遅延損害金についての条項があります。期限内に完工が難しい場合、工事請負契約書を確認して必要な費用などを確認しましょう。  また、工期の調整も必要です。中央建設業審議会は、請負契約の適正化のため具体的な権利・義務の内容を定める公共工事標準請負契約約款を作成し実施を勧告しています。約款には工期の延長について以下のように記されています。

(受注者の請求による工期の延長) 第二十二条 受注者は、天候の不良、第二条の規定に基づく関連工事の調整への協力その他受注者の責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができないときは、その理由を明示した書面により、発注者に工期の延長変更を請求することができる。 2 発注者は、前項の規定による請求があった場合において、必要があると認められるときは、工期を延長しなければならない。発注者は、その工期の延長が発注者の責めに帰すべき事由による場合においては、請負代金額について必要と認められる変更を行い、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。

出典:「公共工事標準請負契約約款

 公共工事標準請負契約約款では、不可抗力や当時者双方の責任によらない遅れが発生した場合は工期の延長を請求することができるとされています。  遅れが原因で工期の変更が必要となる場合、それに伴って発生する費用や対応についてしっかり協議しておきましょう。  受注側の都合で工事が遅れる場合は、遅延損害金だけでなく人件費といった経費も予定以上に必要になるため、遅れが利益率にどの程度影響を与えるのか、あらかじめ試算しておきましょう。


遅れの防止対策

 工事の遅れが生じると、遅れを挽回するために長時間労働で対処する現場もあるでしょう。しかし、長時間労働でカバーすることのないよう防止策を考えておくことが必要です。  工事は雨や台風等でストップすることもあるほか、資材調達の遅れや施工ミスが起きる可能性もあります。事前に防止できる点についてはしっかりと対策を行い、急なトラブルにもスムーズに対応できるよう、対処方法を事前に定めておきましょう。以下では、具体的な防止対策を紹介します。


遅延の可能性を考慮して工期を設定する

 台風シーズンや公共工事が集中しやすい時期、大型連休などは工事も遅れがちです。この時期の工事は遅れる可能性を考慮して工期を設定する必要があります。  あらかじめ作業員を確保していても、前の現場が遅れれば予定の現場入りが遅れ、工事開始時に人員が揃わないこともあります。また、連休時には資材の配送トラックが交通渋滞に巻き込まれ、予定の時間までに届かないこともあるでしょう。あらゆる可能性を考慮して、余裕をもった工期を設定しましょう。


工事の進捗状況に問題がないか作業工程を可視化する

 資材が予定どおりに到着しているか、工程表どおりに作業が進んでいるか、施工ミスや発注ミスが起きていないかなどを常に確認しましょう。これらは可視化することで、工期遅れを防止できます。進捗状況をリアルタイムで把握できるよう、各作業員の配置や作業速度を把握できるツールを活用するという方法もあります。


外注先や発注者と進捗状況を共有する

 土木工事は自然災害といった不可抗力な要因の影響を受けやすい環境だからこそ、進捗状況の共有は必要不可欠です。最新の進捗状況を把握するだけでなく、発注者や外注先などの関係者も進捗情報を把握できる仕組みが必要です。  どの工程が遅れているか共有することで、スケジュールの見直しや人員調整によって遅れを解消できる可能性があります。


日頃の業務を効率化することも重要

 土木現場では、人員のマネジメントや工程管理を現場監督が担当しますが、工事の規模が大きくなるほど業務量も増加します。工事写真の撮影数も増加するため、写真整理といった事務作業の負担も必然的に大きくなるでしょう。  事務作業に追われると、工程管理や進捗状況を把握できず、遅延への対応が遅れる可能性も考えられます。そのためには、日頃の業務を効率化することが有効です。  『カエレル』は、写真整理作業や不足写真の確認、電子納品データへの対応などを小田島組が代行する工事写真整理サービスです。業務負担を軽減し作業効率が向上します。これまで事務作業に使っていた時間を現場での作業時間に変えることも可能です。


まとめ

 工事は天候の影響を受けやすいほか、施工ミスや事故などが発生するリスクも高いです。慎重に工程表を作成していても、予測できない事態で予定どおりに進まないことがあります。  工事が遅れると信用を失うリスクやさらなる工事の遅れを招く可能性があるため、あらかじめ遅れることを見越した工程表の作成が必要です。  そのためには、工事が遅れる具体的な要因にはどのようなものがあるのか把握しましょう。また、遅れた場合の協議や早めの対応も重要です。すみやかに対応できる体制を整えることで、遅れによる影響を最小限にとどめましょう。  工程管理を担当する現場監督は、小田島組の提供する工事写真整理代行サービス『カエレル』で事務作業を効率化してはいかがでしょうか。工事の進捗を丁寧にチェックする時間を確保して、工事の遅れが発生しない現場を目指しましょう。